「減税=公助(公的支援)を減らす社会を目指すこと」という視点は、現代の経済政策や福祉国家のあり方を考える上で非常に鋭い切り口です。
一見すると「手元にお金が残るから嬉しい」と感じる減税ですが、社会システム全体で見ると、それは**「官(国・自治体)」の役割を縮小し、「個(自己責任)」や「民(市場)」の役割を拡大する**というメッセージでもあります。
この構造を3つのポイントで解説します。
1. 財源の裏返し:サービスの対価としての税
政府が提供する「公助(警察、教育、福祉、医療、インフラ整備など)」の原資は税金です。
減税を行う: 政府の収入が減るため、従来のサービス水準を維持できなくなります。
公助の縮小: 結果として、これまで無料で受けられた公共サービスが有料化されたり、補助金がカットされたりします。
つまり、減税とは**「国が面倒を見る範囲を狭めるので、その分のお金は自分で管理してください」**という契約変更のようなものです。
2. 「大きな政府」から「小さな政府」への転換
「公助を減らす社会」を目指す考え方は、一般的に**「小さな政府(リバタリアニズムや新自由主義的側面)」**と呼ばれます。
| 項目 | 公助を重視する社会(大きな政府) | 減税を重視する社会(小さな政府) |
| 税金 | 高い(高福祉・高負担) | 低い(低福祉・低負担) |
| 公助の範囲 | 医療・介護・教育の多くを公費負担 | 最小限のセーフティネットのみ |
| 個人の自由 | 制限されるが、生活の安心感は高い | 自由度は高いが、自己責任が伴う |
| 格差 | 是正されやすい(再分配) | 拡大しやすい(実力主義) |
3. 公助から「自助・共助」へのシフト
減税によって公助が減った分、私たちは以下の手段で自分たちの生活を守る必要が出てきます。
自助(Self-help): 貯蓄や民間保険、投資によって自らの老後や病気に備える。
共助(Mutual aid): 家族、地域コミュニティ、NPOなどが助け合う。
「減税による経済活性化」を掲げる政策の裏側には、「政府が介入しすぎるよりも、民間が自由に動いたほうが効率的だ」という論理と、「過度な依存(フリーライダー問題)を避ける」という意図が含まれていることが多いです。
結論
「減税=公助の削減」という解釈は、社会の舵取りを「集団による保障」から「個人の裁量」へと切り替えるプロセスだと言い換えられます。
メリット: 経済的なインセンティブが高まり、個人の自由な選択肢が増える。
デメリット: 弱者や運悪く困窮した人へのサポートが薄くなり、格差が固定化するリスクがある。
これは単なるお金の話ではなく、「私たちはどのような社会(助け合いの形)で生きたいか」という価値観の選択そのものです。
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次は、この考え方が具体的に日本のどの政策(消費税や所得税など)に当てはまるのか、深掘りしてお手伝いしましょうか?
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