「エキデニスト」とは、駅伝をこよなく愛し、単なるスポーツ観戦を超えて学術的・情緒的・戦略的に深く追求する熱狂的なファンを指す造語です。
彼らは、テレビに映る華やかなシーンだけでなく、その裏側にあるデータや人間模様、さらには「道」そのものにまで注目して観戦しています。具体的にどのような視点で楽しんでいるのか、主なポイントをまとめました。
1. エキデニストの注目ポイント
① 「1秒」に込められたデータと戦略
エキデニストは、公式記録だけでなく独自のデータを駆使します。
区間配置の意図: 「なぜこの選手をこの区間に置いたのか?」という監督の采配を、過去の持ちタイム(5000mや1万mのPB)や当日の気象条件から読み解きます。
1kmごとのラップタイム: 放送で表示されないような細かいペースの変化を察知し、「今はあえて溜めている」「ここは勝負を仕掛けた」といった選手の駆け引きをリアルタイムで分析します。
② 選手の「成長ストーリー」と背景
単なる「速い選手」としてではなく、一人の人間のドラマとして見守ります。
4年間の集大成: 特に大学駅伝では、下級生時代の挫折や怪我を乗り越えて最後の大舞台に立つ4年生の姿に涙します。
出身校・地元愛: 選手の出身高校や中学、さらには所属していたクラブチームまで把握し、同郷の絆や師弟関係に注目します。
③ 「タスキ」が持つ物理的・精神的な重み
駅伝の象徴であるタスキの繋ぎ方にこだわりがあります。
繰り上げスタートの悲劇: 目の前でタスキが途切れる瞬間の残酷さと、それでも走り抜く選手の矜持を尊重します。
タスキの受け渡し: 渡す際の声掛け、一瞬の接触、そして受け取った後の「タスキを整える動作」一つひとつに、チームの結束力を感じ取ります。
④ 「現場」へのこだわり(聖地巡礼と沿道文化)
画面越しだけでなく、物理的な環境にも注目します。
コースの起伏と特殊性: 箱根駅伝の「5区・山登り」だけでなく、風が強い区間、日影で路面が凍結しやすい場所など、コースの特徴を熟知しています。
監督車の声: 運営管理車から飛ぶ監督の檄(げき)の内容に注目し、その言葉が選手にどう影響したかを考察します。
2. エキデニストの生態
1月2日・3日は聖域: 正月の箱根駅伝の間は、親戚の集まりよりもテレビの前(あるいは沿道)を優先します。
独自の「推し」: 有名選手だけでなく、地味ながら堅実に仕事をこなす「繋ぎの区間」の選手を高く評価します。
「増田明美さん」的な情報収集: 選手の好物や趣味など、競技に直接関係ない小ネタ(エピソード)も含めて愛でる傾向があります。
駅伝は「点(選手)」ではなく、それらが繋がってできる「線(タスキ)」を見る競技です。エキデニストは、その線が描く大きな模様を、膨大な知識と愛情を持って鑑賞していると言えるでしょう。
特定の大会(箱根、ニューイヤー、全日本など)や、注目している具体的な大学・チームについてさらに詳しく知りたい場合は、いつでもお知らせください。
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