2025年9月13日土曜日

Google ARCoreとは

 Google ARCoreは、開発者がスマートフォンやタブレットなどのデバイスでAR(拡張現実)アプリケーションを構築するためのSDK(ソフトウェア開発キット)です。1

ARCoreを使用するためには、ARCoreをサポートしているデバイスと開発環境が必要です。2

1. ARCoreの主な機能

ARCoreは、現実世界に仮想オブジェクトを正確に配置し、現実と仮想をシームレスに融合させるための基本的な機能を提供します。3

  • モーショントラッキング (Motion Tracking): デバイスのカメラとセンサーを使って、現実世界におけるデバイスの位置と向きを正確に追跡します。これにより、仮想オブジェクトが現実の空間に固定されているように見えます。

  • 環境理解 (Environmental Understanding): 平面(床、テーブルなど)のサイズと位置を検出し、その上に仮想オブジェクトを配置できるようにします。4

  • 光推定 (Light Estimation): 周囲の照明条件を推定し、仮想オブジェクトの影や光の当たり方を調整して、よりリアルに見せます。5

  • 深度API (Depth API): カメラの映像から各ピクセルの深さ情報を取得し、仮想オブジェクトが現実の物体の背後に隠れる(オクルージョン)効果を可能にします。6

  • クラウドアンカー (Cloud Anchors): 複数のデバイス間でAR体験を共有できます。これにより、ARゲームなどで複数人が同じ仮想オブジェクトを共有して遊ぶことができます。7

2. 開発に必要なもの

ARCoreアプリを開発するには、以下のものが必要です。

  • 対応デバイス: Googleの公式サイトに、ARCoreをサポートしているAndroidおよびiOSデバイスのリストが掲載されています。8

  • 開発環境: 以下の開発プラットフォームでARCoreを利用できます。9

    • Android Studio (Java/Kotlin)10

    • Unity (AR Foundationを使用)11

    • Unreal Engine (ARCore SDKを使用)

    • iOS (ARKitと連携)12

3. ARCoreアプリの基本的な使い方(開発者向け)

ARCoreを使った基本的なアプリの作成手順は、通常以下のようになります。

  1. 開発環境のセットアップ: Android StudioやUnityなどの開発環境に、ARCore SDKを導入します。13

  2. サンプルプロジェクトの利用: ARCore SDKには、基本的な機能を示すサンプルプロジェクト(hello_ar_kotlinなど)が含まれています。これをビルドして実行することで、ARCoreの動作を確認できます。14

  3. 平面の検出とオブジェクトの配置: アプリを起動すると、カメラを通して周囲の環境をスキャンし、床やテーブルなどの平面を検出します。

  4. 画面のタップでオブジェクトを配置: ユーザーが画面をタップした場所に、仮想の3Dオブジェクト(例:アンドロイドのキャラクター)を配置します。

  5. 現実世界での操作: 仮想オブジェクトが現実の空間に固定されるため、ユーザーがデバイスを動かしても、そのオブジェクトは同じ場所に留まります。これにより、オブジェクトの周りを歩き回ったり、さまざまな角度から見たりすることができます。

ARCoreは、ゲーム、教育、ナビゲーション、ショッピングなど、さまざまな分野で活用されています。ユーザーが現実世界とデジタルコンテンツを融合させて、新しい体験を創造することを可能にします。

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