2025年11月29日土曜日

文部科学省が推進している「学校と教師の業務の3分類」とは

 文部科学省が推進している**「学校と教師の業務の3分類」は、教師が「教師でなければできない業務」**に集中できるよう、業務の役割分担と適正化を図るための指針です。

この分類は、2020年(令和2年)に策定された**「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」**(通称「教員の健康及び福祉の確保を図るための指針」または「勤務時間の上限ガイドライン関連指針」)に位置づけられています。


🏫 教員の業務の3分類と具体的な内容

文部科学省の指針における3分類は、2023年(令和5年)の改訂により、名称と内容がより明確化されています。

分類旧名称新名称業務の考え方と具体例
I.基本的には学校以外が担うべき業務学校以外が担うべき業務学校や教師の業務としないことを原則とし、地域や保護者などが担うべき業務。学校の業務から切り離す。
II.学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務教師以外が積極的に参画すべき業務学校の業務ではあるが、教師でなくても対応可能な業務。教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)、事務職員、外部人材などが積極的に担う。
III.教師の業務だが、負担軽減が可能な業務教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務教師が担うべき業務だが、デジタル技術の活用や手順の見直しなどにより、業務負担の軽減を図るべき業務。

I. 学校以外が担うべき業務

【考え方】

これらの業務は、**原則として学校や教師の業務から切り離し、**地域住民や保護者などが担うべきものです。

【具体的な業務例】

  • 登下校時の通学路における日常的な見守り活動等

  • 放課後から夜間などにおける校外の見回り、児童生徒が補導された時の対応

  • 学校徴収金(給食費など)の徴収・管理(公会計化や外部委託を促進)

  • 地域学校協働活動の関係者間の連絡調整等(地域学校協働活動推進員などの外部人材が中心的に担う)

  • 保護者等からの過剰な苦情や不当な要求等の学校では対応が困難な事案への対応(弁護士や警察等の専門機関との連携を強化)


II. 教師以外が積極的に参画すべき業務

【考え方】

学校の業務として必要だが、教師が必ずしも行う必要のない業務です。教員業務支援員(SSS)、事務職員、部活動指導員、ICT支援員、理科支援員などの外部人材や専門スタッフが積極的に参画することで、教師の負担を軽減します。

【具体的な業務例】

  • 調査・統計等への回答(学校への依頼を減らし、事務職員が中心に実施)

  • 学校の広報資料・ウェブサイトの作成・管理(事務職員等が積極的に参画)

  • ICT機器・ネットワーク設備の日常的な保守・管理(ICT支援員、事務職員等が中心に実施。外部委託も検討)

  • 学校プールや体育館等の施設・設備の管理(教師は授業等に付随する日常点検のみを担い、外部委託も促進)

  • 校舎の開錠・施錠(機械警備の導入や、副校長・教頭に固定しない役割分担の見直し)

  • 児童生徒の休み時間における安全への配慮(地域住民等の支援や、輪番等を促進)

  • 校内清掃(児童生徒への清掃指導は教師が担うが、それ以外の管理業務は外部委託や事務職員が担う)

  • 学習プリントや家庭への配布文書等の各種資料の印刷、配布準備

  • 採点業務の補助各種データの入力・集計来客・電話対応(教員業務支援員などが担当)


III. 教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務

【考え方】

授業や生徒指導など、教師が専門性を発揮して担うべき中核的な業務です。ただし、これらの業務についても、デジタル技術の活用や、業務の進め方・プロセスの見直しによって、負担軽減を図ります。

【具体的な業務例】

  • 授業の準備・実施、学習評価(デジタル教材やシステムの活用による準備効率化、成績処理の負担軽減など)

  • 生徒指導、進路指導、特別支援教育への対応(スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフとの連携強化)

  • 部活動(部活動指導員や地域移行の推進、活動時間の適正化など)

  • 校内研修、教職員会議(オンライン活用による効率化、回数・時間の見直し)

  • 授業や行事に関わる計画の策定(ペーパーレス化、様式の簡素化)


🎯 目的と意義

この3分類は、学校における**「働き方改革」の核となる考え方です。

教師が長時間労働に陥る主要な原因は、本来の業務ではない雑務や周辺業務に時間を割かれている点にあるため、この指針によって、教師の業務の範囲を明確化し、「教師が教師でなければできない、子どもと向き合う時間」**を確保することを目指しています。

具体的には、教育委員会や学校がこの分類を踏まえ、地域の状況に応じて具体的な業務の見直しを行い、教員以外の専門人材の配置や外部委託を推進することが求められています。


他に、特定の分類の業務や、働き方改革の進捗状況について詳しく知りたいことはありますか? 📋

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