学校教育法第35条は、小学校における「出席停止制度」について定めた条文です。
これは、学校の秩序維持と他の児童の教育を受ける権利の保障を目的として、特定の行為を繰り返すなど、性行不良で他の児童の教育に妨げがあると認められる児童に対し、市町村の教育委員会がその保護者に対して出席停止を命じることができるという規定です。
📌 出席停止の具体的な要件
学校教育法第35条第1項には、出席停止の対象となる性行不良の具体的な行為として、以下の4つの類型が示されています。これらの行為の一または二以上を繰り返し行うことなどが要件となります。
一:他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
(例:いじめ、暴力行為、器物損壊など)
二:職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
(例:教職員への暴力、暴言など)
三:施設又は設備を損壊する行為
(例:校舎や備品を故意に壊す行為)
四:授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
(例:執拗な妨害行為、教室からの無断離脱など)
📝 重要なポイント
対象:この条文が適用されるのは小学校の児童です。中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校などは、それぞれ第49条などで準用・適用されます。
目的:児童の懲戒(罰)ではなく、他の児童の教育を受ける権利を保障し、学校の秩序を維持することが目的です。
決定権者:出席停止を命じるのは校長ではなく、市町村の教育委員会です。
指導の充実:出席停止措置を講じる際は、当該児童生徒に対し、学習支援や生活指導など、適切な指導・支援を行うことが重要とされています。
この制度は、平成13年の学校教育法改正により、その要件がより明確化されました。
📘 関連情報(懲戒との違い)
学校教育法第35条の出席停止は、懲戒(学校教育法第11条に規定される)とは目的が異なります。
| 項目 | 出席停止(第35条) | 懲戒(第11条) |
| 目的 | 学校の秩序維持、他の児童の権利保障 | 当該児童の教育的指導 |
| 決定権者 | 市町村の教育委員会 | 校長または教員 |
| 対象 | 性行不良により他の児童の教育に妨げがある児童 | 教育上必要と認められる児童 |
学校における児童生徒指導の手段として、出席停止は、他の生徒の安全や学びの環境を守るための、より重い措置として位置づけられています。
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