「アシロマAI原則(Asilomar AI Principles)」は、2017年にカリフォルニア州のアシロマで開催された会議で策定された、AI(人工知能)が人類にとって有益であり続けるための23の指針のことです。
非営利団体「Future of Life Institute(生命の未来研究所)」が主催し、故スティーブン・ホーキング博士やイーロン・マスク氏、Google傘下DeepMindのデミス・ハサビス氏など、世界トップクラスのAI研究者や哲学者が署名したことで大きな注目を集めました。
3つの大きな柱
23の原則は、大きく分けて以下の3つのカテゴリーで構成されています。
1. 研究に関する課題(Research Issues)
AI研究の目的は「制御不能な知能」を作ることではなく、**「人間にとって有益な知能」**を作ることであるべきだと定めています。
投資の方向性: 有益な利用のための研究に投資すること。
透明性: AIと研究者の間のオープンな文化を育むこと。
協力: 研究者同士が競い合うだけでなく、安全基準を守るために協力すること。
2. 倫理と価値(Ethics and Values)
AIが社会に組み込まれる際、どのような倫理観を持つべきかを示しています。
安全性: 運用期間を通じて安全であり、検証可能であること。
責任: AIシステムによる事故や決定に対し、人間が責任を負う仕組みを作ること。
価値の整合性: AIの目的は、人間の尊厳や自由、プライバシーといった価値観と一致させること。
富の共有: AIによってもたらされる経済的繁栄は、全人類に共有されるべきであること。
3. 長期的課題(Longer-term Issues)
将来的にAIが人間を超える知能(超知能)を持った場合を想定した、より深い警戒と準備に関する項目です。
能力の限界: 慎重な合意がない限り、将来的なAIの能力に上限を設けないという仮定は避ける。
再帰的な自己改善: AIが自らを改善して急速に知能を高める場合、厳格な安全・管理体制を敷くこと。
共通の利益: 超知能は、特定の国や企業ではなく、全人類の利益のためにのみ開発されるべきである。
なぜこの原則が重要なのか?
アシロマAI原則が画期的だったのは、技術者だけでなく、倫理学者や経済学者などが一堂に会し、**「AIが暴走したり、格差を広げたりしないための防波堤」**を具体化した点にあります。
現在の欧州のAI法(AI Act)や、各国の政府が作成しているAIガイドラインの多くが、このアシロマAI原則を精神的なプロトタイプ(原型)として参考にしています。
ポイント: > アシロマ原則は「禁止事項」のリストではなく、AIに関わるすべての人が目指すべき「北極星」のような指針です。
この解説について、より特定の項目(例えば「安全性」や「責任」の具体例など)を掘り下げて詳しくお伝えしましょうか?📋
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