「指示待ち人間」からの脱却や、変化の激しい時代に対応するための**「主体性を引き出す人材育成」**は、現代の組織変革において最も重要なテーマの一つです。
主体性とは、単に「自ら動く」ことだけでなく、**「自分の意志で判断し、責任を持って行動する」**ことを指します。これを実現するための具体的なアプローチを3つの柱で解説します。
1. 「内発的動機づけ」を刺激する(やりがいの設計)
人は「やらされている」と感じる仕事には主体性を発揮できません。自分の仕事が「誰のために、何のために役立っているか」を実感させる必要があります。
パーパス(存在意義)の共有: 組織の目標と、個人のキャリアや価値観が重なる部分(共鳴点)を見つけ出します。
ジョブ・クラフティング: 与えられた業務をそのままこなすのではなく、自分の強みや興味に合わせて、仕事のやり方や意味を自ら「リデザイン(再構成)」することを推奨します。
2. 「コーチング型」マネジメントへの転換
上司が答えを与え続ける(ティーチング)限り、部下は考えなくなります。部下の思考を促す関わり方が不可欠です。
「問い」による育成: 「どうすればいいですか?」という問いに対し、「君はどうしたい?」と問い返す文化を作ります。
経験学習サイクル:
実行する(具体的経験)
振り返る(内省的観察)
教訓を得る(抽象的概念化)
次に活かす(能動的実験)
このサイクルを回すための定期的な1on1ミーティングが効果的です。
3. 「心理的安全性」と「自己決定権」の付与
失敗を恐れる環境では、主体性は芽生えません。
裁量権の拡大: 「やり方」を細かく指定せず、ゴール(結果)だけを合意し、プロセスは本人に任せる範囲を広げます。
「ナイス・トライ」の称賛: 失敗した結果ではなく、主体的に挑戦した「プロセス」を評価する仕組みを作ります。
主体性を育むための3要素(自律性の構成要素)
アメリカの心理学者エドワード・デシが提唱した「自己決定理論」に基づくと、以下の3つが満たされると人は自発的に動き出します。
| 要素 | 解説 | 具体的なアクション |
| 自律性 | 自分で決めているという感覚 | 意思決定のプロセスに参加させる |
| 有能感 | 自分にはできるという自信 | 適切な難易度の仕事(ストレッチゴール)を任せる |
| 関係性 | 他者とつながっている安心感 | 孤立させず、チーム全体でサポートする体制を作る |
まとめ:リーダーの役割の変化
これまでのリーダーは「管理・監督者」でしたが、主体性を引き出すリーダーは**「支援者(サーヴァント・リーダー)」や「環境の設計者」**であるべきです。
「管理」を減らし、「信頼」を増やす。このパラダイムシフトこそが、行政や企業の組織風土を変革する鍵となります。
次は、この考え方を現場に導入するための「具体的なワークショップの手法」や「評価制度の作り方」などについて詳しくお伝えしましょうか?
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