2026年2月7日土曜日

話す、聞く、食べる この 人とつながる サポートをしている言語聴覚士について具体的に解説してください。

 言語聴覚士(Speech-Language-Hearing Therapist: ST)は、人間が社会の中で生きていくために最も欠かせない**「コミュニケーション」「食べる楽しみ」**を支える専門職(国家資格)です。

「話す」「聞く」「食べる」という、当たり前のように思える日常の動作が困難になった方に対し、その原因を分析し、訓練や助言を通じて自分らしい生活を取り戻すサポートをします。

具体的にどのような役割を担っているのか、3つの側面から解説します。


1. 「話す・伝える」を支える

脳卒中の後遺症や発達の遅れなどにより、言葉がうまく操れなくなった方を支援します。

  • 失語症への対応: 脳の損傷により「言葉が思い出せない」「言い間違える」といった状態に対し、絵カードや文字を使って、言葉を引き出す訓練を行います。

  • 構音障害への対応: 舌や口の動きが悪くなり、発音が不明瞭になった場合に、口の体操や発声練習を通じて、相手に伝わりやすい話し方を指導します。

  • 高次脳機能障害: 記憶や注意力が低下し、会話の文脈を理解しにくくなった方の社会復帰を支えます。

2. 「聞く」を支える

音や言葉が聞こえにくいことで、社会から孤立してしまうのを防ぎます。

  • 聴覚障害へのサポート: 補聴器や人工内耳の調整(マッピング)を助け、音に慣れるためのリハビリを行います。

  • コミュニケーション手段の提案: 聞こえの状況に合わせて、筆談や手話、身振り、視覚的な補助具の活用などを提案し、周囲とのつながりを維持します。

3. 「食べる(飲み込む)」を支える

実は、STの仕事の中で非常に重要なのが、食べ物を飲み込む動作(摂食嚥下:せっしょくえんげ)のサポートです。

  • 嚥下(えんげ)リハビリテーション: 食べ物が喉に詰まったり、気管に入って肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしたりするのを防ぐため、喉の筋肉を鍛える訓練を行います。

  • 食形態のアドバイス: 飲み込みやすいように、食べ物のとろみの付け方や、キザミ食の形状などについて、本人や家族、調理スタッフに助言します。


言語聴覚士が大切にする「人とつながる」視点

STの役割は、単に「機能を回復させる」ことだけではありません。その先にある**「心のつながり」**を重視しています。

支援のステップ具体的な内容
評価検査や観察を通して、どこに問題があるのかを科学的に分析する。
訓練一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせたリハビリ計画を実行する。
環境調整家族への接し方のアドバイスや、意思伝達装置の導入などを支援する。
心のケア「伝えられない」「食べられない」という孤独感に寄り添い、意欲を引き出す。

まとめ

言語聴覚士は、いわば**「生活の質(QOL)の守り人」**です。

「孫の名前を呼びたい」「家族と一緒に美味しいものを食べたい」といった、その人の切実な願いを実現するために、医療・福祉・教育の現場で多職種(医師、看護師、介護士など)と連携しながら活動しています。

身近な方で、お食事中にむせることが増えたり、言葉が出にくくなったりした方がいれば、まずは専門職であるSTの存在を思い出してください。

次は、具体的に「嚥下訓練」でどのような体操をするのかや、家庭でできる「発声の工夫」などについて詳しくお伝えしましょうか?

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