オーストラリアの「治安の変化」と「格差のリアル」について、さらに踏み込んだ現状を解説します。かつての「のんびりした安全な国」というイメージだけでは語れない、シビアな側面が見えてきます。
1. 治安の変化:統計以上に感じる「不安」
オーストラリアは世界的に見れば依然として安全な部類に入りますが、市民の体感治安は悪化しています。
若者による凶悪犯罪(Youth Crime)の増加:
特にクイーンズランド州やノーザンテリトリーなどで深刻です。SNSで目立つことを目的とした若者グループによる**「カージャック」や「住宅侵入」**が多発しています。盗んだ車で暴走する動画をアップロードするなどの行為が社会問題化しています。
ナイフ犯罪の衝撃:
2024年にシドニーのショッピングモールで起きた無差別殺傷事件などは、国民に大きな衝撃を与えました。「どこでも安全」という神話が崩れ、公共の場での警戒心が高まっています。
薬物問題とホームレス:
物価高騰と住宅難から、都市部の公園や駅周辺でテントを張って生活するホームレスが急増しました。これに伴い、生活困窮からくる軽犯罪や、薬物中毒に関連するトラブルも目立つようになっています。
2. 格差社会のリアルな生活感
かつての「平等な中流階級の国」という意識は薄れ、生活の実態は非常に残酷なほど二極化しています。
「持たざる者」のリアル:
「スキップ・ミール(食事抜き)」の常態化:
学生や低所得層だけでなく、フルタイムで働く中間層でさえも、家賃を払うために一日の食事を1〜2回に減らすケースが増えています。
車中泊の増加:
仕事は持っているが家賃が払えず、車の中で生活しながら職場に通う「ワーキング・プア」が急増しています。
フードバンクの行列:
かつては生活保護受給者が利用していたフードバンク(食料支援)に、今は「普通の家族連れ」が並んでいるのが今のオーストラリアの日常的な風景です。
「持てる者」のリアル:
資産インフレによる恩恵:
数十年前に不動産を購入した層は、何もしなくても資産価値が数億円単位に跳ね上がっています。彼らはその資産を担保にさらに投資を行い、富が加速的に蓄積されています。
世代間の「壁」:
親からの援助(「Bank of Mum and Dad」と呼ばれます)がある若者は家を買えますが、ない若者は一生家賃を払い続ける「賃貸の罠」から抜け出せないという、スタートラインの不平等が固定化しています。
3. 「住みにくさ」の正体:社会的孤立
経済的な厳しさは、オーストラリアの良さであった「心の余裕」も奪っています。
ボランティア精神の減退:
生活に追われるあまり、かつて盛んだった地域コミュニティの活動やボランティアに参加する余裕がなくなっています。
孤独死とメンタルヘルス:
格差の拡大は、孤立を生んでいます。特に高齢者や、期待を持ってやってきたものの生活苦に直面した新規移民の間で、メンタルヘルスの悪化が深刻な課題となっています。
まとめ
現在のオーストラリアは、「豊かな資源国」という外見の下で、中身が「超格差社会」へと作り替えられている最中にあります。かつてのような「働けば報われ、誰もが広い庭付きの家でBBQを楽しめる」という「オーストラリアン・ドリーム」は、今や非常に高価な特権となってしまいました。
次のステップ
このような状況を受けて、オーストラリア政府も移民政策の厳格化や住宅供給の強化に乗り出していますが、その「対策の効果」や「日本人が今から移住する場合のリスク」などについて詳しく知りたいですか?
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