オーストラリアについて「住みにくい国になった」という声が聞かれる背景には、かつての「資源国としての余裕」が影を潜め、急激な経済的・社会的構造の変化が国民の生活を直撃しているという現状があります。
具体的にどのような課題を抱えているのか、主要な4つのポイントで解説します。
1. 深刻な住居危機(家賃と住宅価格の高騰)
現在、オーストラリアで最も深刻と言われているのが住居の問題です。
家賃の爆上がり: 主要都市(シドニー、メルボルン、ブリスベンなど)では家賃が数年で数割上昇しました。空室率が1%を切る地域もあり、家を借りたくても借りられない「レンタル・クライシス」が起きています。
持ち家が夢に: 不動産価格が高騰しすぎた結果、若年層や中間層にとってマイホーム購入はほぼ不可能なレベルに達しており、これが世代間の格差を広げています。
2. 生活費の高騰(インフレと電気代)
かつての「物価は高いが給料も高い」というバランスが崩れ始めています。
インフレの直撃: 食料品や日用品の価格が上がり続け、多くの家庭が支出を切り詰めています。
光熱費の問題: 世界有数の資源(石炭・ガス)輸出国でありながら、国内の電気代やガス代が非常に高いという矛盾を抱えています。これは老朽化した発電設備や、輸出優先の契約構造などが原因です。
3. 人口急増とインフラの不足
パンデミック後の移民受け入れ再開により、人口が急激に増加しています。
受け入れ体制の限界: 移民は労働力不足を補う一方で、前述の住宅不足をさらに悪化させています。
交通・医療の逼迫: 道路の渋滞や公共交通機関の混雑、病院の待ち時間の長時間化など、インフラ整備が人口増加のスピードに追いついていません。
4. 気候変動と自然災害のリスク
もともと厳しい自然環境でしたが、近年はさらに極端になっています。
激甚災害: 大規模な森林火災(ブッシュファイア)や、かつてない規模の洪水が頻発しています。これにより、特定の地域では火災保険や洪水保険の保険料が跳ね上がり、住み続けることが経済的に困難になるケース(気候難民予備軍)が出ています。
現状のまとめ:二極化する社会
オーストラリアが「住みにくい」と感じるか「豊か」と感じるかは、今や**「資産(不動産)を持っているかいないか」**で真っ二つに分かれています。
| 状況 | 感じ方 |
| 不動産を所有している層 | 資産価値が上がり、依然として豊かな生活を享受。 |
| 若者・賃貸層・新規移民 | 給料の多くが家賃に消え、貯金もままならない厳しい状況。 |
一言で言えば: > かつての「ラッキー・カントリー(幸運な国)」は、効率的な資源輸出と高い生活水準を誇っていましたが、現在は**「持てる者」と「持たざる者」の格差が極端に進んだ「コストの高い国」**へと変貌しつつあります。
次のステップ
これらは経済的な側面が強いですが、他にも「治安の変化」や「格差社会のリアルな生活感」など、より踏み込んだ内容についても解説できます。特定の分野に興味はありますか?
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