2025年6月21日土曜日

2025年のIMD(スイス国際経営開発研究所)世界競争力ランキングで、日本が35位、韓国が27位という結果です。日本が韓国から学ぶことは何ですか?

 2025年のIMD(スイス国際経営開発研究所)世界競争力ランキングで、日本が35位、韓国が27位という結果は、確かに日本が韓国から学ぶべき点があることを示唆していますね。競争力ランキングは多岐にわたる要素を評価しているので、具体的に何を学ぶべきかを考えるには、ランキングの内訳や各国の強み・弱みを詳しく見る必要があります。

一般的に、韓国が近年、日本に比べて競争力を高めているとされる分野はいくつかあります。以下に、日本が韓国から学ぶべき可能性のある点を挙げさせていただきます。

  1. デジタル化とDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進:

    • 韓国の強み: 韓国は政府主導でデジタル化を強力に推進し、行政サービスのデジタル化、高速インターネットインフラの整備、電子決済の普及などが日本より進んでいます。COVID-19パンデミック時も、デジタル技術を駆使した迅速な感染追跡や情報提供で注目されました。
    • 日本が学ぶ点: 日本はデジタル化の遅れが指摘されており、行政手続きの煩雑さ、企業のDX推進の遅れが課題です。韓国の成功事例から、政府と民間が一体となったデジタル戦略の策定、大胆な規制緩和、そしてデジタル人材育成の加速化を学ぶことができます。
  2. スタートアップエコシステムの活性化とベンチャー投資:

    • 韓国の強み: 韓国は、スタートアップの育成に国家として力を入れ、政府系ファンドや民間からの大規模なベンチャー投資が活発です。これにより、IT、バイオ、エンターテインメントなど多様な分野でユニコーン企業が生まれています。
    • 日本が学ぶ点: 日本もスタートアップ育成を強化していますが、まだ投資規模やエコシステムの成熟度で韓国に水をあけられています。リスクマネー供給の拡大、起業家支援制度の強化、大企業とスタートアップの連携促進などが学びのポイントでしょう。
  3. グローバル市場への積極的な進出とブランド力強化:

    • 韓国の強み: サムスン、LG、現代といった製造業から、BTS(防弾少年団)、BLACKPINK、Netflixドラマに代表されるK-POPやK-ドラマなどのコンテンツ産業まで、韓国企業や文化は積極的な海外戦略でグローバル市場での存在感を確立しています。
    • 日本が学ぶ点: 日本企業は高品質な製品を持つ一方で、内需志向が強く、グローバル市場でのマーケティング戦略やブランド戦略に課題を抱えることがあります。韓国のターゲット市場に合わせた戦略、デジタルマーケティングの活用、そして自国文化の輸出戦略は大いに参考になります。
  4. 研究開発(R&D)投資と人材育成:

    • 韓国の強み: 半導体、ディスプレイ、バッテリーなどの先端技術分野で、国家レベルでの大規模なR&D投資を行い、技術革新を推進しています。また、理系人材の育成にも力を入れています。
    • 日本が学ぶ点: 日本もR&D投資は行っていますが、選択と集中、そして成果の事業化スピードにおいて課題があります。将来性のある分野への集中的な投資、産学連携の強化、そして世界で戦える高度な専門人材の育成戦略を韓国から学ぶことができます。

もちろん、日本には日本独自の強み(例えば、安定した社会、高い教育水準、ものづくり技術の基盤、優れた地方創生のポテンシャルなど)が多数あります。競争力ランキングはあくまで一つの指標であり、すべてを鵜呑みにする必要はありません。

しかし、韓国の躍進は、変化の速いグローバル経済において、大胆な政策決定、スピード感のある実行、そして未来を見据えた投資がいかに重要であるかを教えてくれます。日本の強みを活かしつつ、韓国の成功から学び、日本の課題を克服していくことが、今後の競争力向上には不可欠であると言えるでしょう。

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