2025年6月23日月曜日

ツムラ漢方薬68番(芍薬甘草湯)が効く具体的な症状

 ツムラの漢方薬68番は、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方薬です。

この漢方薬は、特に急激に起こる筋肉のけいれんや、それに伴う痛みに効果があることで知られています。漢方薬の中でも即効性があると言われており、頓服(症状が出た時に一時的に服用する)として用いられることが多いです。


ツムラ漢方薬68番(芍薬甘草湯)が効く具体的な症状

主な効能・効果は以下の通りです。

  1. こむら返り(足のつり):

    • 夜中や運動中に急に足のふくらはぎなどがけいれんして激しい痛みが起こる場合に、その痛みを和らげ、けいれんを鎮めます。芍薬甘草湯の代表的な適応症です。
  2. 筋肉のけいれん:

    • 足のつりだけでなく、全身の筋肉の急激なけいれんや、それに伴う痛みに有効です。
  3. 腹痛・胃痛:

    • 胃腸などの**平滑筋(へいかつきん)**のけいれんに伴う痛みにも効果を発揮します。
    • 急性の胃痛や腹痛、差し込むような痛みに用いられます。
    • 胆石や尿路結石による疝痛(せんつう:差し込むような激しい痛み)にも応用されることがあります。
  4. 腰痛:

    • 筋肉のけいれんを伴う急性の腰痛に効果があります。
  5. 月経痛(生理痛):

    • 子宮の収縮(けいれん)によって起こる生理痛の緩和にも用いられます。生理の始まる数日前から服用することで痛みを軽減することもあります。
  6. その他:

    • 肝硬変や透析中に見られる筋肉のけいれん(こむら返り)にも使用されることがあります。
    • 抗がん剤(パクリタキセルなど)による筋肉痛や関節痛にも有効性が示唆されています。

芍薬甘草湯の作用メカニズム(漢方的な視点)

芍薬甘草湯は、「芍薬(シャクヤク)」と「甘草(カンゾウ)」というわずか2種類の生薬から構成されています。

  • 芍薬: 筋肉の緊張を緩め、痛みやけいれんを鎮める働きがあります。
  • 甘草: 痛みを和らげる作用があり、芍薬と合わせることでその効果が増強されると言われています。特に「急迫を治す」作用があるとされます。

漢方では、全身に栄養を運ぶ「血(けつ)」が不足すると筋肉に栄養が行き渡らず、けいれんや痛みが起こると考えます。芍薬甘草湯は、不足した「血」を補い、筋肉の過剰な緊張やけいれんを鎮めることで、痛みを改善するとされています。

注意点

  • 頓服(一時的)での使用が基本: 芍薬甘草湯は即効性がありますが、漫然と連用する薬ではありません。症状が出た時に服用し、改善したら中止するのが原則です。
  • 副作用: まれに、手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれるミオパチーや、尿量減少、むくみ、高血圧などが起こる偽アルドステロン症などの重篤な副作用が報告されています。これらは甘草の成分によるもので、特に長期連用や多量服用でリスクが高まります。
    • 心臓病、高血圧、腎臓病のある方、むくみのある方は服用に注意が必要です。服用前に医師や薬剤師に相談してください。
  • 市販薬と医療用: ツムラ漢方薬68番は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品と、薬局で購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)の両方があります。どちらも主成分は同じ芍薬甘草湯ですが、配合量などが異なる場合がありますので、購入・使用の際は薬剤師に相談しましょう。

急な筋肉のつりや痛みに、ツムラ漢方薬68番(芍薬甘草湯)は心強い味方となってくれるでしょう。ただし、必ず用法・用量を守り、症状が改善しない場合や副作用が疑われる場合は、医療機関を受診してくださいね。

0 件のコメント:

コメントを投稿