曹操の息子、曹沖(そうちゅう)が象の重さを測ったという有名なエピソードは、中国の正史である**『三国志』**に記されています。
具体的には、**『三国志』の「魏書(ぎしょ)巻二十 武文世王公伝(ぶぶんせいのうこうでん)」**にその記述があります。
原文は以下の通りです。
時孫權曾致巨象,太祖欲知其斤重,訪之群下,咸莫能出其理。
沖曰:「置象大船之上,而刻其水痕之所至,稱物以載之,則校可知矣。」
太祖大悅,即施行焉。
現代語訳:
ある時、孫権が大きな象を献上した。太祖(曹操)はその重さを知りたがり、家臣たちに尋ねたが、誰もその方法を思いつくことができなかった。
(その時)曹沖が言った。「象を大きな船に乗せ、(象の重さで)水面が達したところに印をつけ、その印まで水面が来るように他の物を船に載せて重さを測れば、象の重さがわかります。」
太祖(曹操)は大いに喜び、すぐにその通りに実行した。
このエピソードは、幼い曹沖の優れた知恵を示す話として、中国では古くから広く知られています。また、アルキメデスの原理に通じる賢さとして、現代の子供向けの教育教材などでもよく取り上げられています。
なお、この「象の重さを測る話」には、インドの仏教説話に類似の話があることも指摘されており、その原話はインドにある可能性も考えられています。しかし、曹沖のエピソードとして記録されているのは、上記の『三国志』の記述が直接の出典となります。
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