2025年5月24日土曜日

麻雀におけるドラとは

 麻雀におけるドラは、役とは異なり、和了(アガリ)の際に手牌に含まれていると点数を加算してくれるボーナス牌のことです。ドラ自体に役はないため、ドラだけでは和了ることはできませんが、高得点を狙う上で非常に重要な要素となります。


ドラの決め方

ドラは、各局の開始時にドラ表示牌という特定の牌をめくることで決まります。

  1. ドラ表示牌:配牌(牌を配り終えた後)が終わり、親が第一打を打つ前に、王牌(ワンパイ:山に残された牌の最後の部分)の左から3枚目の牌を表向きにします。この牌が「ドラ表示牌」です。

  2. ドラ牌:ドラ表示牌の「次の牌」がその局のドラになります。

    • 数牌(マンズ・ピンズ・ソーズ)の場合:表示牌の次の数字の牌がドラです。
      • 例:ドラ表示牌が「萬子(マンズ)の3」なら、ドラは「萬子の4」。
      • 例:ドラ表示牌が「萬子の9」なら、ドラは「萬子の1」。 (9の次は1に戻ります)
    • 字牌(風牌・三元牌)の場合:それぞれの順序に従って次の牌がドラです。
      • 風牌(トン・ナン・シャー・ペー):東 → 南 → 西 → 北 → 東 の順
        • 例:ドラ表示牌が「南」なら、ドラは「西」。
        • 例:ドラ表示牌が「北」なら、ドラは「東」。
      • 三元牌(ハク・ハツ・チュン):白 → 発 → 中 → 白 の順
        • 例:ドラ表示牌が「発」なら、ドラは「中」。
        • 例:ドラ表示牌が「中」なら、ドラは「白」。

ドラの種類

ドラには、通常のドラ以外にもいくつかの種類があり、それぞれ条件を満たすと出現します。

  1. 表ドラ(オモテドラ)

    上記で説明した、ドラ表示牌によって決まる基本的なドラです。

  2. 裏ドラ(ウラドラ)

    リーチをして和了った(アガった)場合のみ、通常のドラ表示牌の真下にある牌もドラ表示牌としてめくることができます。このめくられた牌の「次の牌」が裏ドラとなります。裏ドラは、リーチによる和了の点数をさらに高める可能性を秘めています。

  3. カンドラ(槓ドラ)

    局中に誰かが**カン(槓)**を行った場合、そのカンのたびに新たなドラが追加されます。カンが成立するごとに、ドラ表示牌の右隣にある牌を1枚めくり、その牌の「次の牌」がカンドラとなります。1局中にカンは最大4回まで可能なので、カンドラも最大4枚まで増える可能性があります。

  4. カン裏ドラ(カンウラドラ)

    カンドラと同様に、リーチをして和了った場合のみ、カンドラ表示牌の真下にある牌もドラ表示牌としてめくることができます。このめくられた牌の「次の牌」がカン裏ドラとなります。

  5. 赤ドラ(アカドラ)

    一部の麻雀ルール(「赤あり」ルール)で採用されている特殊なドラです。通常は、五萬(ウーマン)、五筒(ウーピン)、五索(ウーソー)のそれぞれ1枚が、数字部分が赤く塗られた「赤牌」として牌山に混ぜられています。これらの赤牌は、ドラ表示牌に関係なく、それ自体が常にドラとして扱われます。赤ドラが採用されていると、さらに高得点が出やすくなります。


ドラの扱われ方

  • 1枚につき1翻(ハン)加算:手牌や鳴いて晒している牌の中にドラが含まれている場合、そのドラ1枚につき1翻が和了点に加算されます。例えば、ドラを3枚持っていれば3翻が点数に加算されます。
  • 役ではない:ドラはあくまで点数を加算するボーナスであり、役ではありません。そのため、ドラだけでは和了ることはできず、最低1つ以上の役がなければ和了れません(例:リーチ、タンヤオなど)。
  • 全員共通:ドラは、その局の参加者全員に適用されます。自分だけでなく、他のプレイヤーがドラを持っている場合も同様に点数が加算されます。

ドラを意識して手牌を進めることは、麻雀で高得点を出すための重要な戦略の一つです。特にリーチをかけることで裏ドラのチャンスも生まれるため、ドラを絡めた戦略は麻雀の醍醐味とも言えるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿