2025年6月9日月曜日

我が国ではお米の価格が2倍以上に急騰しましたが、一体全体どうしてなのでしょうか。 何が原因なんですか。

 現在、日本でお米の価格が急騰しているのは、複数の要因が複雑に絡み合っているためです。主な原因は以下の通りです。

  1. 異常気象による収穫量・品質の低下

    • 2023年の猛暑は、全国的に米の生育に大きな影響を与えました。高温によって生育不良が発生し、収量が減少しただけでなく、精米時に割れてしまうなど品質の低下も招きました。これにより、市場に出回る良質な米の供給量が減少しました。
  2. 生産コストの上昇

    • 肥料、燃料(農業機械の燃料費)、農業資材、輸送費などの価格が世界的に高騰しており、米の生産にかかるコストが上昇しています。このコスト増が米の販売価格に転嫁されています。
  3. 需要の回復と増加

    • インバウンド需要の急増: 新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、訪日外国人観光客が大幅に増加しました。これにより、外食産業やホテルでの米の消費が増え、需要が拡大しました。
    • 外食産業の回復: コロナ禍で落ち込んでいた外食産業が回復し、業務用の米の需要が増加しています。
    • 消費者による買いだめ傾向: 価格高騰への懸念から、一部の消費者が米を買いだめする動きが見られ、一時的な品薄感を助長しています。
    • 他の主食からのシフト: パンや麺類の価格高騰も、消費者が米に切り替える要因になっているという見方もあります。
  4. 流通構造の特殊性

    • 米は、他の商品と比べて需給のわずかな変化で価格が大きく変動しやすい特性があります。これは、需要の「非弾力性」と呼ばれ、供給が少し減るだけで価格が急騰しやすい構造になっています。
  5. 政府の備蓄米放出の効果が限定的

    • 政府は価格安定のために備蓄米の放出に踏み切っていますが、その効果はまだ十分に現れていません。放出される備蓄米が市場に十分に行き渡らなかったり、購入条件が厳しかったりするなどの課題が指摘されています。また、放出量にも限りがあるため、根本的な解決には至っていません。

これらの要因が重なり、「令和の米騒動」と称されるほどの価格高騰を招いています。特に、供給量の減少と需要の回復・増加が同時に起こったことが、今回の急騰の大きな背景にあると考えられています。

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