2025年3月2日日曜日

荒城の月 この歌の歌詞を解説してください。

 「荒城の月」は、土井晩翠作詞、滝廉太郎作曲の歌曲で、日本の歌曲の中でも特に有名な曲の一つです。この曲の歌詞は、過ぎ去った栄華を懐かしみ、諸行無常の寂しさを歌い上げています。以下に、歌詞の解説をします。

歌詞と解説

  • 一番
    • 春高楼(はるこうろう)の花の宴(えん)
      • 春、高い楼閣で催された華やかな宴
    • めぐる盃(さかずき)かげさして
      • 盃が巡らされ、その影が揺れている
    • 千代の松が枝(え)わけいでし
      • 永遠を象徴する松の枝を分けて進んだ
    • 昔の光いまいずこ
      • あの頃の輝かしい光は今どこにあるのだろうか
    • 解説:かつて城で催されたであろう華やかな宴の様子が目に浮かびます。しかし、その光景は今はなく、過ぎ去った日々を懐かしむ気持ちが込められています。
  • 二番
    • 秋陣営(あきじんえい)の霜(しも)の色
      • 秋、陣営に降りた霜の白さ
    • 鳴きゆく雁(かり)の数見せて
      • 鳴きながら渡っていく雁の数がはっきりと見える
    • 植(う)うる剣(つるぎ)に照りそいし
      • 植えられた剣に月の光が照り輝いていた
    • 昔の光いまいずこ
      • あの頃の輝かしい光は今どこにあるのだろうか
    • 解説:戦いの場であったであろう城の秋の様子が描かれています。そこには、戦いの厳しさと、それとは対照的な月の静けさが表現されています。
  • 三番
    • 今荒城(いまこうじょう)の夜半(よわ)の月
      • 今、荒れ果てた城に浮かぶ夜中の月
    • 替(かわ)らぬ光たがためぞ
      • 変わることのない月の光は誰のためにあるのだろうか
    • 垣(かき)に残るはただ葛(かずら)
      • 城壁に残っているのはただツタだけ
    • 松に歌うはただ嵐(あらし)
      • 松に歌っているのはただ嵐だけ
    • 解説:荒れ果てた城と、変わらずに輝く月との対比が、物悲しさを際立たせています。そこには、時の流れの中で変わっていくものと、変わらないものとの対比が描かれています。
  • 四番
    • 天上影(てんじょうのかげ)は替(かわ)らねど
      • 天上にある月の光は変わらないけれど
    • 栄枯(えいこ)は移(うつ)る世の姿
      • 栄えたり衰えたりするのがこの世の姿
    • 写(うつ)さんとてか今もなお
      • それを今もなお写し出そうとしているのだろうか
    • ああ荒城(こうじょう)の夜半(よわ)の月
      • ああ、荒れ果てた城に浮かぶ夜中の月よ
    • 解説:月の光は変わらないが、世の中は常に移り変わっていくという、諸行無常の思想が表現されています。

この歌は、日本の美しい情景と、過ぎ去った時代への郷愁、そして人生の儚さを感じさせる名曲です。

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