2025年6月15日日曜日

英語の長文読解が苦手だと感じる理由とは

 英語の長文読解が苦手だと感じる理由は、いくつか共通のパターンがあります。そして、それぞれの理由に合わせた効果的な対策を取ることで、苦手意識を解消し、読解力を向上させることができます。

英語の長文読解が苦手な理由

多くの人が長文読解でつまずく主な理由は、以下のいずれか、または複数に当てはまることが多いです。

  1. 語彙力不足:

    • 理由: そもそも知らない単語が多すぎて、文章の意味を推測する以前に、単語の意味が理解できない。辞書を引きながら読むことに時間がかかり、途中で挫折してしまう。
    • 影響: 一つ一つの単語に気を取られ、文章全体の流れや著者の意図を把握するのが難しくなります。
  2. 文法・構文理解の不足:

    • 理由: 単語は知っていても、複雑な文構造(関係代名詞、分詞構文、倒置、挿入句など)になると、どこが主語でどこが動詞か、どの修飾語が何を修飾しているのかが分からなくなる。
    • 影響: 一文の意味が正確に取れず、誤読の原因になったり、読み進めるごとに混乱が増したりします。特に、長い一文の中に複数の情報が詰め込まれている場合に顕著です。
  3. 読むスピードの遅さ(スラッシュリーディング・チャンクリーディングの欠如):

    • 理由: 英語を日本語に逐語訳しながら読んでしまうため、非常に時間がかかる。または、目で文字を追うのが遅い。
    • 影響: 制限時間内に読み終わらない、途中で集中力が切れる、文章全体の論理構造を把握する前に疲れてしまうといった問題が起こります。
  4. 背景知識の欠如:

    • 理由: 読んでいるトピックに関する知識が全くない場合、単語や文法が分かっても、内容そのものを理解するのが難しい。
    • 影響: 抽象的な概念や専門用語が多い文章、あるいは文化的な背景が異なる話題の場合に、理解度が著しく低下します。
  5. 集中力の欠如/精神的な苦手意識:

    • 理由: 長い英文を見ただけで「無理だ」「面白くなさそう」と最初から諦めてしまう。集中力が続かず、途中で読むのをやめてしまう。
    • 影響: 読解練習の機会が減り、いつまでも苦手意識が払拭されません。

苦手意識を解消するために注力すべきこと

上記の理由を踏まえ、苦手意識を克服し、長文読解力を効果的に向上させるための具体的な対策を解説します。

1. 語彙力強化

長文読解の土台です。焦らず、しかし継続的に取り組みましょう。

  • 多読と類推(Guessing from context): 辞書ばかり引かず、まずは文章の流れから知らない単語の意味を推測する練習をします。最初は難しいですが、続けることで語彙のネットワークが構築されます。意味が推測できたら、後で辞書で確認しましょう。
  • 「使える語彙」の習得: 単語帳をこなすだけでなく、例文を通して単語の使われ方やニュアンスを理解します。特に、文章で頻繁に出てくる動詞、形容詞、副詞に注力すると効果的です。
  • ターゲット設定: 一度に完璧を目指さず、「この長文に出てきた知らない単語のうち、重要なもの5つを覚える」など、具体的な目標を設定すると継続しやすくなります。

2. 文法・構文理解の深化

一文を正確に読む力をつけましょう。

  • 「返り読み」をしない練習(スラッシュリーディング/チャンクリーディング): 英語の語順で前から意味を理解する練習をします。文の区切り(チャンク)ごとにスラッシュ(/)を入れて、意味の塊を捉える感覚を身につけます。
    • 例:「I believe / that / English communication skills / are essential / for global business.」
  • 英文構造の把握: 特に長い文や複雑な文は、主語 (S)動詞 (V)目的語 (O)補語 (C)修飾語 (M) を見つける練習をします。構文把握の参考書を使って、繰り返し演習しましょう。
  • 接続詞や関係詞の役割理解: 文と文、あるいは節と節をつなぐ役割を理解することで、長い文章の論理的な繋がりが見えてきます。

3. 読むスピードの向上

量をこなし、慣れることが重要です。

  • 音読・シャドーイング: 声に出して読むことで、目で追うだけでなく、音としても英語を処理する能力が鍛えられ、読むスピードとリズム感が向上します。シャドーイングは、聞いた英語を少し遅れて真似して発音する練習で、英語の処理速度を高めます。
  • 時間を計る練習: 短い文章からで構わないので、時間を計って読む練習をしましょう。目標時間を設定し、徐々に速度を上げていきます。
  • 多読: 自分のレベルに合った興味のある英文を、辞書を引かずにどんどん読む練習です。量に触れることで、英語のパターンに慣れ、自然と処理速度が上がります。最初から完璧を目指さないのがコツです。

4. 背景知識の拡充

読解内容への理解を深めるために。

  • 幅広いジャンルに触れる: 興味のある分野だけでなく、科学、歴史、経済、社会問題など、様々なジャンルの英文に触れてみましょう。これにより、語彙力も自然と増え、読解の引き出しが増えます。
  • 日本語での情報収集: もし特定のトピックの英文が難解だと感じたら、先に日本語でそのテーマに関する基本的な知識を身につけておくと、英文読解の助けになります。

5. 集中力の維持と苦手意識の克服

心構えと学習環境も大切です。

  • 興味のある題材を選ぶ: 読解練習の初期段階では、自分が心から面白いと感じるトピックやジャンルの英文を選ぶと、集中力が続きやすく、学習が楽しくなります。
  • 短い文章から始める: 最初から長文に挑まず、簡単な短文から徐々にステップアップしていきましょう。成功体験を積み重ねることで自信がつきます。
  • 学習環境の整備: 集中できる静かな場所を選び、タイマーを使うなどして、短時間でも集中して取り組む習慣をつけましょう。
  • 「完璧主義」を手放す: 一文一文完璧に理解しようとせず、まずは大意を掴むことを目標にしましょう。分からない箇所があっても、立ち止まらずに読み進める練習も重要です。
  • 学習仲間を見つける: 同じ目標を持つ仲間と情報交換したり、励まし合ったりすることで、モチベーションを維持できます。

長文読解は、英語学習の集大成ともいえるスキルです。一朝一夕には身につきませんが、上記の点に意識して継続的に取り組むことで、必ず苦手意識を克服し、英語の長文を読みこなせるようになります。

まずは、ご自身の苦手な部分がどこにあるのかを把握し、そこから具体的な対策を始めてみてはいかがでしょうか?

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