肺気腫(はいきしゅ)は、主にタバコの煙などの有害な物質を長期間吸い込むことで肺の組織が破壊され、呼吸機能が低下していく病気です。「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」という病気の一種で、非常にゆっくりと進行するのが特徴です。
主な症状
初期には自覚症状が少ないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れます。
息切れ: 階段や坂道を上る際など、体を動かした時に息が切れるのが初期の代表的な症状です。進行すると安静時でも苦しくなります。
咳・痰: 長引く咳や、一日中絡む痰が特徴です。
その他の身体的サイン:
胸が張る感じ(樽状胸:バレルチェスト)
呼吸をする際にゼーゼー・ヒューヒューという音がする(喘鳴)
疲れやすさ、体重減少
重症化するとチアノーゼや浮腫(むくみ)が見られることもあります
治療法
残念ながら、一度破壊された肺の組織を元通りに修復する治療法は現在のところありません。そのため、「症状の改善」と「病気の進行を抑えること」が治療の目的となります。
禁煙: 治療の最も重要な第一歩です。喫煙を続けると病気の進行を止めることができません。
薬物療法(吸入薬): 気管支を広げ、呼吸を楽にする「吸入気管支拡張薬」が中心となります。症状に合わせてステロイド薬が併用されることもあります。
呼吸リハビリテーション: 運動療法や栄養管理、呼吸法の指導などを行い、低下した体力を維持し、息切れを軽減させます。
ワクチンの接種: 肺炎などの感染症を合併すると病状が急激に悪化(急性増悪)しやすいため、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されます。
重症時の治療: さらに進行した場合には、在宅酸素療法や、ケースによっては外科的治療が検討されることもあります。
肺気腫は早期に発見し、適切な治療と生活習慣の管理を始めることで、症状を和らげ、進行を遅らせることが可能な病気です。気になる症状がある場合は、早めに呼吸器内科を受診することをお勧めします。
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