2026年4月9日木曜日

平安の歌聖が隠棲した「なりひら寺」:十輪寺(じゅうりんじ)

 

平安の歌聖が隠棲した「なりひら寺」:十輪寺(じゅうりんじ)


1. 十輪寺とは

京都市西京区、山歩きの趣がある「大原野(おおはらの)」にひっそりと佇む天台宗の寺院です。平安時代の超有名人、**在原業平(ありわらのなりひら)が晩年に隠棲した場所として知られ、通称「なりひら寺」**と呼ばれ親しまれています。

  • 本尊: 延命地蔵菩薩(知恵を授け、願いを叶えるお地蔵様)

  • 別称: 業平寺(なりひらでら)


2. 在原業平と「塩焚き」の風流な伝説

絶世の美男子として知られる業平が、かつての恋人(二条后・藤原高子)への思いを断ち切れず、この地で塩を焼き、その煙に想いを託したという切ないエピソードが残っています。

  • 塩竈(しおがま)跡: 境内の裏手には、今も業平が塩を焚いたとされる場所があり、毎年11月23日には「塩焚祭」が行われます。

  • 三方普感(さんぽうふかん)の庭: 業平が塩を焚く煙を眺めたとされる庭園で、座る場所によって「高野山」「比叡山」「奈良」を遥拝できる独特の構造をしています。


3. 見どころ:他にはない魅力

  • なりひら桜:

    中庭にある立派な枝垂れ桜です。低い位置から見上げるように鑑賞するのが作法で、満開時には空から桜が降り注ぐような幻想的な景色が広がります。

  • 鳳輦(ほうれん)形の本殿屋根:

    本殿の屋根は非常に珍しい「御輿(みこし)」のような形をしています。江戸時代の再建ですが、独特の意匠が目を引きます。


4. 場所とアクセス(京都市の西端)

京都市内中心部の喧騒から離れた、静かな山麓にあります。

  • 住所: 〒610-1133 京都府京都市西京区大原野小塩町481

  • 電話: 075-331-0154

  • 行き方:

    • JR「向日町駅」または阪急「東向日駅」から、**京阪京都交通バス(66系統)**に乗車。「十輪寺前」バス停で下車してすぐです。(バスの便数が少ないため、事前に時刻表を確認することをお勧めします)


【ひとこと】

上賀茂神社が「公(おおやけ)の華やかさ」を持つ場所なら、十輪寺は「個の静寂と情愛」を感じる場所です。少し足を延ばして、平安時代の貴族が愛した「わび・さび」の世界に浸ってみるのはいかがでしょうか。

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