高野山の金剛峯寺から奥の院までの散策路は、高野山観光のハイライトの一つであり、歴史と信仰の深さを感じられる神聖な道です。距離は約2キロメートルほどで、ゆっくり歩いて片道30分から1時間程度です。
ルートの概要:
金剛峯寺を出て、高野山のメインストリートである**大通り(仲の橋通り)**を東へ進み、**一の橋(いちのはし)**を渡ると、いよいよ奥の院の参道に入ります。一の橋から奥の院の御廟(ごびょう)までは、約2キロメートルの墓所が続きます。
主な見どころ:
1. 金剛峯寺(こんごうぶじ)(出発点):
- 高野山真言宗の総本山。広大な境内には、格式高い建物や美しい庭園があります。
- 見どころ: 主殿の襖絵、石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」、台所など。出発前にぜひ見学しておきましょう。
2. 大通り(仲の橋通り):
- 金剛峯寺から一の橋まで続く、高野山の中心的な通りです。
- お土産店、飲食店、宿坊などが軒を連ねています。散策の準備や休憩に利用できます。
3. 一の橋(いちのはし):
- 奥の院への参道の入り口となる橋です。
- 弘法大師(空海)がこの橋の上で旅人を出迎え、見送ると伝えられています。
- 注意点: 橋を渡る前に一礼するのが礼儀とされています。
4. 奥の院参道(一の橋~御廟):
- ここから先は、樹齢数百年の杉木立の中に、織田信長、豊臣秀吉、武田信玄、伊達政宗など、歴史に名を残す武将や著名人の墓石、供養塔が数多く並ぶ神聖な墓所です。
- 見どころ(一部):
- 織田信長墓所: 巨大な五輪塔が印象的です。
- 豊臣家墓所: 立派な石垣に囲まれた墓所です。
- 武田信玄・勝頼墓所: 並んで建つ五輪塔が特徴です。
- 上杉謙信墓所: 奥まった場所にひっそりと佇んでいます。
- 水向地蔵(みずむけじぞう): 亡くなった方々の霊を慰めるために、お地蔵様にお水をかける場所です。多くの参拝者が訪れます。
- 燈籠堂(とうろうどう): 奥の院の中心的な建物で、内部には多くの献灯が灯されています。
- 御廟(ごびょう): 弘法大師が入定されているとされる聖地です。写真撮影は禁止されています。
散策のポイント:
- 服装: 歩きやすい靴が必須です。墓所内は静かで神聖な場所なので、派手な服装は避け、落ち着いた服装を心がけましょう。
- 時間: ゆっくりと見て回るには、往復で2時間程度を目安にすると良いでしょう。
- マナー: 墓所内では静かに歩き、大声での会話や騒音は控えましょう。供養塔や墓石に触れたり、よじ登ったりする行為は慎みましょう。
- 雨具: 雨の日は足元が悪くなるため、雨具があると便利です。
- 飲み物: 参道には自動販売機などはほとんどありませんので、事前に用意しておくと良いでしょう。
- 懐中電灯: 夕暮れ時や早朝に散策する場合は、足元を照らすための懐中電灯があると安心です。
奥の院参道の雰囲気:
昼間でも薄暗く、荘厳で神秘的な雰囲気が漂っています。歴史上の人物たちの墓石が並ぶ様子は圧巻で、独特の空気感があります。木々の間から差し込む光や、苔むした墓石など、自然と歴史が織りなす美しい景観も魅力です。
金剛峯寺から奥の院までの道は、高野山の歴史と文化、そして信仰の深さを肌で感じることができる特別な場所です。ぜひ、ゆっくりと時間をかけて散策してみてください。
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