英語の it は、単なる「それ」というモノを指す代名詞にとどまらず、文法や会話のなかで極めて多様で重要な役割を果たします。
主要な用法を大きく 6つのカテゴリ に分類し、具体的な例文とともに詳しく解説します。
1. 人・モノを指す代名詞(基本用法)
すでに話題に上った特定のモノや動物、状況などを再び指し示す用法です。
物理的なモノを指す
例文: I bought a new smartphone yesterday. It is very easy to use.
(昨日新しいスマホを買った。それはとても使いやすい。)
状況やアイデア、前後の文脈全体を指す
例文: It is starting to rain. We should go inside.
(雨が降り出してきた。中に入ろう。)
※天候、気温、時間、距離などを表す際の主語(非人称のit)も、この文脈全体の指し示しに含まれます。
It is 2 o'clock.(2時です)
It is hot today.(今日は暑い)
It is 3 kilometers to the station.(駅まで3キロある)
2. 性別・身元が不明な「赤ちゃん」や「小動物」
生まれたばかりの赤ちゃんで性別がわからない場合や、ペット以外の小動物を指すときに使われます。
例文: Look at the newborn baby! It is sleeping peacefully.
(生まれたての赤ちゃんを見て! その子はすやすや眠っている。)
※ただし、現代の日常会話では、親しい間柄や性別がわかっていれば he や she を使うことも多いです。
3. 仮主語(形式主語)の it
長い不定詞(to不定詞)や動名詞(-ing)、または節(that節など)が主語になると、文頭が重くなりバランスが悪くなります。そのため、頭に「形だけの it」を置き、本当の主語を文末に回す構文です。
to不定詞を後ろに置く場合
例文: It is important to learn English.
(英語を学ぶことは重要だ。)
that節を後ろに置く場合
例文: It is true that he won the prize.
(彼が受賞したというのは本当だ。)
4. 仮目的語の it
第5文型(S+V+O+C)において、目的語の位置に長大な不定詞やthat節が来るとき、文の構造をスッキリさせるために仮の目的語として it を置き、本当の目的語を後ろに回す用法です。make, find, think, believe などの動詞の後ろによく使われます。
例文: I found it difficult to finish the work in a day.
(その仕事を1日で終わらせるのは難しいとわかった。)
※
found [it] [difficult] [to finish...]の形。
5. 強調構文の it(分裂文)
文の中の一部(主語、目的語、副詞など)を特に強調したいとき、"It is [was] ~ that [who] ..." の形ではさみ込みます。
主語を強調する例
通常文: Tom broke the window.(トムが窓を割った)
強調構文: It was Tom who broke the window.
(窓を割ったのはほかならぬトムだ。)
副詞(場所・時など)を強調する例
通常文: I met him in Tokyo.(東京で彼に会った)
強調構文: It was in Tokyo that I met him.
(彼に会ったのは東京だった。)
6. 慣用表現(決まり文句)
特定の決まった表現の中で、特に深い意味を持たずに使われる it です。会話やビジネスで頻出します。
天候・状況などを表す
例文: It looks like rain.
(雨が降りそうですね。)
時間を経過・距離として表す
例文: It takes about 30 minutes to get there.
(そこに行くのに約30分かかります。)
Cleft(分裂・直訳しにくい慣用表現)
例文: It turns out that the plan was successful.
(その計画は成功だったということがわかる。)
例文: How is it going?
(調子はどう? / 最近どう?)
💡 まとめ(識別するコツ)
長文や会話の中で it に出会ったとき、迷ったら次の順番で考えるとスムーズに理解できます。
直前の名詞を指しているか?(代名詞)
天候や時間を表していないか?(非人称)
後ろに to や that が続いていないか?(仮主語・仮目的語)
It is ~ that ... の形になっていないか?(強調構文)
0 件のコメント:
コメントを投稿