2022年度(令和4年度)の厚生労働省の人口動態統計などによると、同居期間が20年以上のいわゆる「熟年離婚」は増加傾向にあり、全離婚件数に占める割合が過去最高の23.5%に達するなど、社会的な注目を集めました。
この熟年離婚の実態や背景にある要因、今後の傾向について詳しく解説します。
1. 熟年離婚の実態
- 割合の増加: 全体の離婚件数自体は緩やかな減少傾向にある中、同居期間20年以上の夫婦による離婚は長期的に見ても高い水準を維持し、割合としては過去最高を記録しました。
- 切り出す側の変化: 以前は夫側から切り出すケースや経済的理由から踏み切れない妻が多かったものの、近年では長年蓄積された精神的な不満を理由に、妻側から切り出すケースが目立つのが特徴です。
- 主な原因: 厚生労働省の動向や調査等でも上位に挙がるのは「性格の不一致」ですが、具体的な背景には「夫のモラハラや亭主関白な態度」「退職後に四六時中一緒にいることへのストレス(いわゆる亭主関白・空気嫁ストレス)」、そして「子どもの独立を待っていた」というケースが多くあります。
2. 増加を後押しした主な要因
- 経済的自立と制度的背景:女性の社会進出が進み、離婚後の自活に対するハードルが下がったことに加え、「離婚時の年金分割制度」(婚姻期間中の厚生年金保険料納付記録を分割できる制度)が導入されたことで、妻側の老後生活への経済的な不安が一定程度軽減されたことが挙げられます。
- 人生観・価値観の変化(人生100年時代):「残りの人生を不満を抱えたまま過ごすよりも、自分のために使いたい」という前向きな(あるいは個人の尊厳を重んじる)価値観が広がり、「我慢して添い遂げる美徳」が薄れつつあります。
- コロナ禍の影響:2020年以降のコロナ禍で在宅時間や夫婦で向き合う時間が急増した結果、それまで見過ごしていた価値観のズレやコミュニケーション不足が表面化し、決断を早める引き金になったとも指摘されています。
3. 今後の傾向
- 「シニア期のソロライフ」の一般化:核家族化や単身世帯の増加が進む中、熟年離婚を経ておのおのが一人暮らしを楽しむ、あるいは友人と支え合うといったライフスタイルが珍しいものでなくなっています。
- 経済面・介護リスクへの意識の高まり:一方で、安易な離婚が老後破綻を招くリスクや、将来どちらかが要介護状態になった際の不安も広く認知されるようになりました。そのため、お互いの負担を減らすための「円満離婚(事実婚や卒婚に近い形を含む)」や、事前の周到な準備を行うケースが増えています。
この動画では、2022年のデータをもとに過去最高を記録した熟年離婚の割合や、その背景にある具体的な夫婦のすれ違いについて分かりやすく解説されています。
0 件のコメント:
コメントを投稿