英語の受動態(「〜される」)は、「主語が動作を受ける」形ですが、すべての動詞が受動態にできるわけではありません。
受動態にしやすい動詞・しにくい動詞には、それぞれ明確な特徴(文法的なルール)があります。具体例とともに解説します。
1. 受動態にしやすい動詞の特徴
受動態にしやすい最も大きな特徴は、「他動詞(Direct Transitive Verb)」であり、なおかつ「目的語(〜を)を1つ、または2つ取る動詞」であることです。
- 特徴: 動作の矢印が「主語(動作主) $\rightarrow$ 目的語(対象)」へ直接向かうため、その対象を主語の位置にひっくり返す(受動態にする)ことができます。
① 目的語を1つ取る通常の他動詞(write, kill, blame など)
- 能動態: Shakespeare wrote this play.(シェイクスピアはこの劇を書いた)
- 受動態: This play was written by Shakespeare.(この劇はシェイクスピアによって書かれた)
- 解説: 動作の対象(this play)が主語になり、スムーズに受動態にできます。
② 目的語を2つ取る動詞(give, teach, tell, show など)
- 特徴: 「人」と「モノ」の2つの目的語を取るため、どちらを主語にしても受動態が作れるという特徴があります。
- 能動態: She gave me a book.(彼女は私に本をくれた)
- 受動態A(人を主語に): I was given a book by her.(私は彼女から本を与えられた/もらった)
- 受動態B(モノを主語に): A book was given (to) me by her.(本が彼女から私に与えられた)
2. 受動態にしにくい(できない)動詞の特徴
受動態にできない動詞の最大の理由は、「自動詞であること」、あるいは他動詞であっても「空間や状態を表す特殊な動詞(非対格動詞など)であること」です。
- 特徴: 目的語(〜を)を後ろに取らないため、ひっくり返す「対象」が存在しないのが基本です。
① 自動詞(目的語を取らない動詞)(arrive, sleep, walk, happen など)
- 特徴: 「誰かを到着させる」「何かを眠る」とは言えず、動作がその主語だけで完結します。
- 能動態: He arrived at the station.(彼は駅に到着した)
- 受動態(不可): $\times$ The station was arrived by him.(※英語として不成立)
② 状態動詞のうち「所有・関係」を表すもの(have, belong to, resemble など)
- 特徴: 「〜を持っている」「〜に属する」という状態は、矢印の向きをひっくり返して「〜される」と表現すると不自然になるため、受動態にできません。
- 能動態: I have a car.(私は車を持っている)
- 受動態(不可): $\times$ A car is had by me.(※文法的に極めて不自然、または不可)
- 能動態: This book belongs to me.(この本は私のものだ)
- 受動態(不可): $\times$ I am belonged to by this book.(※不可)
- ※例外: 同じ状態動詞でも love, like, want などは感情の対象が明確なため受動態にできるものもあります(例: He is loved by everyone.)。しかし have や belong は完全に不可です。
③ 「空間の広がり・収容」を表す動詞(fit, resemble, cost, weigh など)
- 特徴: 他動詞の形をしていますが、主語と目的語の関係が「主従」ではなく「等価(=)」に近いため、受動態にすると意味が通らなくなります。
- 能動態: This shoes fit me.(この靴は私にぴったりだ)
- 受動態(不可): $\times$ I am fitted by this shoes.(※「私がこの靴に合わせられている」ような変な意味になってしまうため使わない)
- 能動態: This coat costs 10,000 yen.(このコートは1万円かかる)
- 受動態(不可): $\times$ 10,000 yen is costed by this coat.(※不可)
まとめ
- 受動態にしやすい: 動作が外側の対象(目的語)に向かう他動詞(write, give など)。
- 受動態にしにくい: 動作が自分の中で完結する自動詞(arrive, go)、または「所有・寸法・状態」を表して方向をひっくり返せない特殊な動詞(have, fit, cost など)。
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